賃貸経営を検討するとき、法人化も視野に入れて考える方が多いのではないでしょうか。
この記事では、個人事業とは違う法人化のメリットや、法人化して会社にする前におさえておきたいデメリットなどを解説します。
検討される際の判断材料として、ぜひご覧ください。
メリットが多い!?賃貸経営の法人化
賃貸経営の法人化とは、個人事業ではなく、会社(法人)にしてマンション経営を事業にすることを指します。
法人化をすることによるメリット
①経費化できる範囲が広がる
生命保険契約の内容によりますが、個人事業のときとは違い法人化すると制限がなくなります。
個人事業であれば生命保険料の控除は年間最大12万円です。
掛金が全額経費となる倒産防止共済などを検討してみても良いかもしれません。
ただし、基本的に課税は繰り延べられ、保険金は会社の収益とみなされるので注意も必要です。
②税金面の負担が減る
課税される所得が900万円を超える場合、個人事業よりも賃貸経営を法人化すると税率が低くなります。
会社にする際、家族を役員にすれば報酬が分散されるので、さらに所得税率が下がる可能性が期待できます。
給与所得の控除も大きくなり、実質的な税額も上がるでしょう。
ケースによっては社会保険料の負担を加味した方がよい場合もあり、その場合は退職金制度などの検討もおすすめです。
先々で相続が予想される場合も、相続対象の人を役員にすれば、生前贈与ではなく財産の移転も可能です。
事業の継承でも、被相続人を株主にしないよう注意は必要ですが、法人の財産については相続税がかかりません。
個人事業とは違う手間に注意!賃貸経営法人化のデメリット
節税面で嬉しい恩恵を得られますが、デメリットもあります。
①事務手続きが増える
個人事業のときとは違い、会社になることで事務手続きが増えて煩雑になります。
具体的には、社会保険や源泉徴収の手間が発生することも視野に入れておきましょう。
②賃貸経営の法人化そのものに費用がかかる
株式会社にする場合、登録免許税と定款認証手数料で20万円ほどと、定款謄本の手数料が2000円ほどです。
印紙代の4万円もみておきましょう。
司法書士などに手続きを依頼する場合は別途数万円かかります。
専門家による間違いのない手続きは安心ですし、手間も軽減されることを考えると必要経費ともいえそうですね。
③赤字の場合負担が発生する
収益の状況にかかわらず法人住民税が課税されます。
地域による違いはありますが、最低額が7万円ほどです(均等割分)。
会社にしたあと手続きや税務処理で税理士などの依頼する場合は、その費用ももちろん必要になります。
まとめ
一般的には、年収1000万円以上になったら法人化を検討するとよいといわれます。
ただし、個人ごとの所得や物件の状態で税率が変わるため、賃貸経営の法人化も最適なタイミングがそれぞれ変わってきます。
ぜひベストなタイミングで取り組んでください。